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社長コラム

工藤さん

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人工知能が人間を超えるだと

2019年4月号

 30年以内に、70%の確率で、大地震群が襲ってくる。恐ろしい話だが、これは自然の摂理であって、人間の原罪ではないので、素直に受け止めるしかない。

 しかし、地球に一万五千発の核兵器を抱え込んでしまったり、二酸化炭素を垂れ流して地球を急速に温暖化し、生活圏に異常をきたしているのも、人間のもつ「やりっ放し」原罪のゆえであり、哀しい限りである。

 その上にまた、「行け行けドンドン」の人間は、あらたな原罪を抱え込んでしまった。2045年には、人工知能が人間の知能を越えて(=「特異点」)、それ以降の発明などはすべて人間でなく、人工知能が担うようになる…そしてこの時期以降は、人間存在に意味がなくなる?!(レイ・カーツワイル氏【コンピューター研究者】という仮説が発表された。

 WHO KNOWS? 人間そのものの存在意義の否定につながりかねない、この「特異点」には、居たたまれない感覚が漂う。30年弱後というすぐそこのことであり、仮説とはいえ、先般、人工知能がプロの囲碁棋士を打ち負かした現実に驚いたばかりだったから迫真性をもっている。

 人工知能は、内部規則にのみ従順な銀行マンの職場など、ブロック・チェインを内蔵した仮想通貨で、あっという間に席巻してしまうにちがいない。内向きで退屈な官僚ワークなど、人工知能は簡単に代替してしまうだろう。そして、人口減少に伴う働き手不足という、現在深刻な難問とされていることなど、人口知能の使い方さえ間違わなければ、難しい外国人労働者に依存するよりも、はるかに見事に解決してくれるにちがいない。

 これはこれで良しとしても、特異点が30年弱後のことならば、もう今こそ、コンピューターの際限のなさに歯止めをかける「節度」の仕組みをビルト・インしない限り、人工知能の暴発を止められない! しかし、人工知能の際限なき自己発達・増殖メカニズムの中に一体、こんなアルゴリズムを入れることができるものなのか?

 いや、ちょっと待て。そもそも人工知能が代替できるほど、人間の技は、そんなに奥行きのないものなのか。いやいやそんなことはないはずだ。

 人間は「利便性」と「ロジック」を一直線に追求してきた。そしてこの範疇で、AIの大いなる開花を享受し、AIは、人間の手間をとんでもなく省ける成果をあげつつあり、あげていくだろう。

 しかしそれはそれだけの範疇でのことである。

 人間は、一直線上の「利便性」と0・1・0・1の組み立て「ロジック」の世界にはない、貴重な価値に生きてきた。
◆野辺に咲く一輪の花の可憐さに…心洗われる心情
◆絵画や書や生け花に、和歌や俳句や音楽に、武道 や言葉の世界のどこにもある、空間…隙間…間合 い…何もないがゆえの豊穣
◆愛する人のためなら死んでもいい、初恋という盲目の純粋
◆理屈の組み立てなどでは理解できない、宗教やヤクザ社会の全的献上性
◆「神様・仏様・ご先祖様」をいっしょたくに合掌する日本人の融通無碍
◆あの世とこの世を行ったり来たりする日本人の得も言われぬ生死感覚etc. 

  人間は、「利便性」への我欲を抑制できず、0・1・0・1の「ロジック」世界に身を売って、自らの存在意義を破壊しつつあるとはいえ、「利便性」や「ロジック」の範疇にはない、「感性」「愛」「パッション=情」「余韻」の世界に生きてきた。AIなどに、こ の世界を侵すことはできない。

  しかしだ。一体、これらの人間特性は継承されているのか否かだ。30年後といわず、もうすでに、人間の脳は、人工知能に「制御」機能をビルト・インするようなことなど思いもよらないほどに、劣化してしまっているのではないだろうか?「感性」も「愛」も「パッション=情」も「余韻」も、0・1・0・1世界の暴発に毒されて、急速に喪失しつつあるのではないか。そうであれば、これからの軌跡は哀しく単純なものでしかない。

   人間は有史以来、難事を制御したことはない。ただただ問題を極大化するしか能がなかった。戦争の規模を拡大し、武器の規模はとうとう、広島原爆の3,000倍に達したし、地球に破壊的な温暖化とゴミの山を産み出してしまった。そしてとうとう、人工知能の誘惑を極大化させ、みずからの存在意義を抹消してしまう。

  そんな、そんなことをやってはいけない!
◆人間が人間として在り続けるとは、一体どういう事なのか?…を自問しながら、
◆狂ったような周りの事象を見つめ直して、
◆自分にとって本当に大切なことは何なのか?を、ひとりひとりが整理し始めなければならないと、心底思う。

【工藤】

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